海上保安庁海洋情報部が、海水のストロンチウム90、セシウム134、セシウム137の濃度や、海底土の放射能汚染を調査しています。2012年の調査結果と2014年の調査結果を比べると、仙台湾では放射能汚染が深刻化しており、東京湾ではほぼ同じ放射能汚染が続いています。

 福島県を流れる阿武隈川は、仙台湾にその河口があります。一方、東京湾に注ぐ河川には、江戸川、荒川、多摩川、鶴見川などがあります。江戸川は、利根川の分流であり、その源は八木沢ダムです。

 福島県や八木沢ダムを襲った放射性物質が、阿武隈川や利根川ー江戸川によって、徐々に仙台湾や東京湾を放射能汚染しつつあります。

 原発事故と放射能汚染は現在進行中です。原発事故からたった4年半たって、もう放射能汚染がないかのような報道や生活が目立ちますが、深刻な健康被害はこれから明らかになってくるでしょう。

 2012年海水のストロンチウム90による汚染

 2014年海水のストロンチウム90による汚染

 大気圏内核実験の影響による、北太平洋の海水のセシウム137放射能汚染の推移

<解説>かつて1950年代米ソが競い合って大気圏内核実験を行っていた頃は海水にセシウム137が100ミリベクレル/Lもありました。しかし、だんだん少なくなってきて、2000年頃には2ミリベクレル/Lになっています。ですから、今でも1~1.5ミリベクレル/Lのセシウム137が存在するのは仕方がないのです。

 しかし、2ミリベクレル/Lを超えるセシウム137があったら、それは異常事態であると考えるべきです。

 2012年海水のセシウム134による汚染(2014年のセシウム134のデータなし)

 2012年海水のセシウム137による汚染

 2014年海水のセシウム137による汚染

 2012年海底土の放射能汚染(ストロンチウム90、セシウム134、セシウム137)

 2014年海底土の放射能汚染(ストロンチウム90、セシウム134、セシウム137)