常磐道きょう全線開通 常磐冨岡IC付近 首相ら迎えセレモニー

福島民報 2015年3月1日 1面

 常磐自動車道は1日、最後の整備区間となった常磐冨岡(富岡町)ー浪江(浪江町)インターチェンジ(IC)間(14.3キロ)の供用が始まり、埼玉県から宮城県まで総延長300キロの全線が開通する。浜通りを縦断する高速道路の完成により、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの被災地の復興が加速されると期待される。同日午前10時から、常磐富岡IC付近で安倍晋三首相らを迎えて開通セレモニーを催す。(3面に関連記事)

 常磐道は埼玉県三郷市の三郷ジャンクション(JCT)と宮城県亘理町の亘理IC間の300.4キロを結ぶ。いわきJCT(茨城県)で北関東自動車道、つくばJCT(同)で首都圏中央自動車道、三郷JCTで東京外環自動車道と接続している。

 常磐、北関東、東京外環の各自動車道は東北自動車道につながっており、常磐道全線開通により5本の高速道路を結ぶネットワークが整う。東日本の物流や人的交流、広域観光が活発になると期待される。

 常磐道は、東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設への搬入路になる。政府は輸送の効率化に向け、施設が整備される予定の大熊、双葉両町に新ICを一カ所ずつ設ける方向で検討している。両町はIC設置を強く要望しており、実現すれば交通の利便性が増し、将来の住民帰還に弾みがつくとみられる。

 常磐道は原発事故による避難区域を通る。政府の原子力災害現地対策本部が昨年10月に実施した調査では、広野ー南相馬IC間(49.1キロ)の空間放射線量率は平均毎時0.71マイクロシーベルト/時だった。車に乗り法定時速の時速70キロで同区間を通過する際の外部被ばく線量は0.40マイクロシーベルトで、胸部エックス線を1回撮影した場合の約150分の1となる。同本部は「健康に影響のない数値」としている。

 今回開通する常磐冨岡ー浪江IC間は東日本大震災前、土工工事の約7割を終え、平成24年3月までの開通を目指していた。しかし、原発事故で除染が必要となり、2年間の工事中断を余儀なくされた。今年の大型連休前に開通を予定していたが、浜通りの復興を急ぐため時期を1か月以上前倒しした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<解説> 記事本文から

「広野ー南相馬IC間(49.1キロ)の空間放射線量率は平均毎時0.71マイクロシーベルト/時だった。車に乗り法定時速の時速70キロで同区間を通過する際の外部被ばく線量は0.40マイクロシーベルトで、胸部エックス線を1回撮影した場合の約150分の1となる。同本部は『健康に影響のない数値』としている。」

 これが胸部エックス線ならば、さほどではないでしょう。問題は外部被ばくではない、自動車のタイヤや車体につく放射性物質、ホット・パーティクル。当然のことながら、中心部分はウラン酸化物で、セシウム134、137を含み、ストロンチウム90もプルトニウ238、239、240も含んでいます。これが常磐道を通る車に付着し、宮城県から埼玉県まで大拡散することになります。

 そして、この内部被ばくの被ばく線量はミリシーベルトで測定できません。体内に入ったホット・パーティクルは死体となったときに肺を解剖しないとわからない性格のものだから。

参考:資料『肺の中の「ホット・パーティクル」を巡って エフゲニー・P・ペトリャエフ』

 人体への健康影響をミリシーベルトで考えるとき、それは外部被ばくのみを考えていて、内部被ばくを一切無視した議論だと考えるべきです。

常磐道は埼玉県三郷市の三郷ジャンクション(JCT)と宮城県亘理町の亘理IC間の300.4キロを結ぶ。いわきJCT(茨城県)で北関東自動車道、つくばJCT(同)で首都圏中央自動車道、三郷JCTで東京外環自動車道と接続している。

 常磐、北関東、東京外環の各自動車道は東北自動車道につながっており、常磐道全線開通により5本の高速道路を結ぶネットワークが整う。東日本の物流や人的交流、広域観光が活発になると期待される。

 この文章に「東日本一体の肺がんや呼吸器系や皮膚疾患が急速に増えていくことが想定される。」(解説:川根眞也)と続けるべきでしょう。

 ちなみに、福島民報 2015年3月1日3面の常磐自動車には、東京第一原発の位置が示されていません。原発事故がなかったかのような報道、原発事故が収束しているかのような報道姿勢に怒りを感じます。記事の訂正を求めます。