岐阜県土岐市にある、核融合科学研究所が2015年にも核融合発電(トリチウム核融合発電)実験開始するという。2013年3月までに、岐阜県、土岐市、多治見市、瑞浪市の1県、3市と同時協定を結ぶ予定。すでに、2012年度予算 440億円(1989年以降 施設の建設費、運営費 計1521億円が支出された)、2013年度予算274億円が執行されている。
多治見市長に核融合科学研究所「重水素実験」を認めないよう求める署名
年間1000回核融合実験を行う回数は年間1000回。1回 3秒間。1回の実験で作られるトリチウムは1億ベクレル。生成されたトリチウムは、90%くらいは捕集できる。残りは環境中に出てしまう。放出されてしまうトリチウムは年間最大5500億ベクレル、と岐阜県は回答。
東京第一原発事故後の、福島県の水道水中のトリチウム濃度を、政府の原子力災害現地対策本部と福島県が2012年5月21日に発表しています。
川根が0.80ベクレル/Lを超える地点の地名を赤字で地図上に記載しました。
大気圏内核実験のトリチウム濃度のデータとしては、阪大の菊地正士教授が1953年に測定した、神戸市の雨水 0.777ベクレル/L(6.5±0.4TU=約21pCi/l)があります。0.8前後は大気圏内核実験以前から雨として降ってきていると判断すべきです。
政府、福島県は、先の報告で「平成14年度に実施したトリチウム調査結果と比較し、測定値が変動した地点が認められたものの、平常時の全国データの範囲内であった」、だから大丈夫と説明しています。
果たして、平常時のデータとはいかなるものか?2009年度の水道水中のトリチウム(H-3)濃度のデータを「環境放射線データベース」から取り、整理しました。原子力施設周辺の水道水中のトリチウムの濃度です。明らかに原発周辺では普段からトリチウムが漏れており、それが水道水中にも入ってきていることがうかがわれます。
福井県の水道水の多くから0.9~1.3ベクレル/Lもトリチウムが検出されており、大飯、高浜、美浜の原発からは大量に出ていたのではないでしょうか。京都府の舞鶴市朝来川(あせくがわ)の水道水が1.7ベクレル/Lもトリチウムが出ているのに驚かされます。美浜、大飯、高浜から西へ雨雲が流れた先に舞鶴市があります。一方、青森県六ケ所周辺からほとんど出ていないのは相次ぐ事故続きで核燃料の再処理が行われていないためであると考えられます。再処理が開始されれば、青森県六ケ所周辺の水道水からは1.0ベクレル/Lを越えるトリチウムが検出されるようになるのではないでしょうか?