毎日新聞が頑張っています。このところ、福島県民健康管理調査検討委員会の問題に関する秀逸の報道をしています。

 一方、読売は恥も外聞もなく、原発推進、TPPへの日本参加の地ならし、集団的自衛権の法制化と憲法9条の改憲のための報道(プロパガンダ?)にいそしんでいます。

 アーネスト・スターングラスの『放射線と健康』をご覧ください。

アーネスト・スターングラスの『放射線と健康』

 スライド7をご覧ください。スターングラスの講演とグラフが紹介されています。

 キャプション「この図は7、8歳になったこどもから取れた乳歯に含まれているストロンチウム90の値で、骨に蓄積していることがわかります。この表から60年代前半に、乳歯中のストロンチウム90が環境中のストロンチウム90の値を反映していることがわかります。核実験が終わると下降しますが、その後、下降が止まり横ばい状態になります。ちょうどこの頃、アメリカでは大規模な原子力発電所が操業開始しました。それは日本も同じです。それ以降80年代中頃になっても横ばいが続きます。そして最近になってまた上昇し始めました。このことからも、一見何も無いような平和的な原子力発電所の日常運転による放出も、核実験中と同様に、ストロンチウム90の原因であるという重大な事実がわかります。」

 子どもの乳歯を保存しておき、その中のストロンチウム90を測定することで、子どもたちの内部被ばくの程度が推定できるのです。

 素晴らしいことに、福島県会議員の柳沼純子議員(自由民主党)が福島県の子どもたちの乳歯からストロンチウム90の蓄積量を調べることを提案していました。(2011年9月)

 ところが、福島県民健康管理調査検討委員会の福島県保健福祉部担当者が「あまり意味はないといった知見・情報はないでしょうか」「質問議員(がそう)ではないのですが、反原発命の方の主張でもあるようで、あまり乗る気になれない質問です」と検討委員にメールを一斉送信していました。(毎日新聞 2012年12月19日 朝刊)

 福島県民健康管理調査検討委員会の「本性見たり枯れ尾花」。何のことはない、原発村の巣食うむじなの穴でした。

福島県民健康管理調査 乳歯保存 20121219 pdf

 福島県は子どもの乳歯を保存すべきです。そうでなければ、検討委員会は「健康管理」という名前ではなく「被ばく隠し検討委員会」に名前を変えるべきです。

 しかし、この問題を福島民友、福島民報はどれくらい報道したのでしょうか?