[解説]

 鳴沢村、富士河口湖村、富士吉田市は、富士山麓の北側に当たります。2011年3月の東京電力福島第一原発事故の放射性ブルームが、富士山の北側に当たり、富士山麓の北側に高濃度の放射能汚染をもたらしました。きのこは、もっとも放射能をためやすい生物です。また、周辺の樹と共生関係を作っています。菌根菌という細菌を通じて樹の根へきのこは栄養を与え、樹は葉を落とすことできのこに栄養を与えます。放射性セシウムは、きのこ-樹-きのこ-樹……とぐるぐると循環します。10年、20年と経っても無くなりません。長期に渡る汚染が続くと肝に銘じるべきです。

 <富士山麓北側の地図>

NHK山梨: 野生キノコから基準超えセシウム 

2019年10月18日 18時50分   NHK 山梨放送局

 県が2019年10月行った検査で、富士吉田市と鳴沢村で採取した野生のきのこから、国の基準を上回る放射性セシウムが検出されました。
  県は富士河口湖町を加えた3つの市町村では野生のきのこを採ったり食べたりしないよう呼びかけています。

  県は2012年10月に富士吉田市と富士河口湖町、それに鳴沢村をきのこの出荷制限区域に指定し、この地域でのきのこの採取や出荷などの自粛を求めるとともに、放射性物質の検査を続けています。
  県によりますと、2019年10月11日に調べた野生のきのこ11検体のうち、5つの検体から国の基準値である1キログラムあたり100ベクレルを上回る放射性セシウムが検出されたということです。
  検出された数値は、富士吉田市で採れたショウゲンジが200ベクレル、富士吉田市で採れたクリイロイグチとアイシメジが140ベクレル、鳴沢村のハナイグチが130ベクレル、鳴沢村のアミタケが110ベクレルです。
県は引き続き、この3つの市町村では野生のきのこを採ったり食べたりしないよう呼びかけています。

 

富士吉田市内、鳴沢村内及び富士河口湖町内における野生きのこの採取、出荷及び摂取の自粛について2019年7月26日)

山梨県

〇野生きのこを採取される皆様へ
富士吉田市、鳴沢村及び富士河口湖町内で発生した野生きのこについては、食品衛生法で定められた基準値(100ベクレル/kg)を超える放射性セシウムが検出されており、国の原子力災害対策本部から出荷制限指示が出されています。
このため、県では野生きのこを採取される皆様に、上記の3つの市町村内で発生した野生きのこの採取、出荷、摂取を控えて頂くようお願いしているところです。
今年も野生きのこの採取シーズンを迎えますが、引き続き、富士吉田市内、鳴沢村内、富士河口湖町内で発生したきのこについては、採取、出荷、摂取を控えて頂くようお願いします。

〇野生きのこを販売される皆様へ
野生きのこを販売される方は、引き続き、富士吉田市、鳴沢村及び富士河口湖町内で採取された野生きのこを取り扱わないようお願いします(市場や店舗を介さない通信販売やネットオークション等での販売、流通も行わないようお願いします)。
また、上記の3つの市町村以外で採取された野生きのこについては、産地の市町村名を表示した上で販売し、入荷先等の記録を保存して頂くよう御協力をお願いします。
なお、他県でも野生きのこの出荷制限等が措置されている市町村がありますので、御注意下さい。出荷制限等の最新の情報については、厚生労働省のホームページから御覧頂けます。

〇野生きのこ以外の特用林産物について
放射性物質の検査結果については、関連資料のリンクから御確認ください。

2012年度から2018年度に基準値を超えた野生きのこの検体一覧

○2018年度に基準値を超えた野生きのこの検体

○2017年度に基準値を超えた野生きのこの検体

○2016年度に基準値を超えた野生きのこの検体

○2015年度に基準値を超えた野生きのこの検体

○2014年度に基準値を超えた野生きのこの検体

○2013年度に基準値を超えた野生きのこの検体

○2012年度に基準値を超えた野生きのこの検体