未臨界核実験とは

朝日小学生新聞 2018年10月18日

 プルトニウムなどの核物質に爆発する直前まで強つよい力をかけて、その変化を観察する実験。爆発させないので、包括的核実験禁止条約(CTBT)には違反しないと、核保有国のアメリカやロシアは主張しています。古くなった核兵器の性能や安全性せいなどが確認できるとされます。
 アメリカが去年の12月、西部ネバダ州の核実験場で、未臨界核実験をしていたことがわかりました。オバマ政権の下での2012年12月以来で、トランプ政権では初めて。通算28回目となりました。

【臨界前核実験とは】

1997年4月5日 中国新聞 夕刊

 プルトニウムやウランが連鎖反応で次々と核分裂を起こす「臨界」に達する直前に実験を停止し、停止までの間に核物質のさまざまな反応や動きを調べる核爆発の模擬実験の一つ。過去数多くの核実験を繰り返してきたネバダ核実験場の地下約三百メートルに実験装置を持ち込み、数百キロの高性能火薬を爆発させて生じた衝撃波をプルトニウムに当てる。この結果を高性能コンピューターによる解析と組み合わせ、核兵器の安全性や信頼性を検証するのが目的。核物質は使用するものの核爆発は伴わないため、米政府は包括的核実験禁止条約(CTBT)に沿ったものと強調している。(4月5日付中国新聞夕刊)