内部被ばくについて、自主的に学習し、周りの方々に広めていくための会
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2019年6月

甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)結果に対する部会まとめ(案) 第13回福島県甲状腺評価部会 2019年6月3日

 「甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)結果に対する部会まとめ(案)」を全文紹介します。第13回福島県甲状腺評価部会で初めて公表された案です。ちなみにour planet tvによれば、甲状腺評価部会でこの案は一度も検討委員会されていません。 〈参考〉 「甲状腺がん「放射線関連なし」 〜一度も議論せず報告書公表」 our planet tv 2019年6月3日  この福島県甲状腺評価部会の中間報告が、いかにデタラメであるかは、読んでみないことには、話が始まりません。  参考に、この「福島の子どもたちの小児甲状腺がんは原発事故による放射線被曝の影響ではない」とする福島県の公表について、新聞各紙がどう報道したか、は、以下にまとめてあります。川根の批判的解説も合わせてお読み下さい。 〈参考〉 「福島県の小児甲状腺がん 『放射線被ばくとの関連なし』の中間報告を新聞各紙はどう報じたか? 2019年6月4日」内部被ばくを考える市民研究会 資料    以下、2019年6月3日に第13回福島県甲状腺評価部会が公表した、中間報告(案)を全文掲載します。   甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)結果に対する部会まとめ(案)令和元年 6 月 3日 福島県県民健康調査検討委員会甲状腺検査評価部会(以下「評価部会」という。)は、平成 23 年度から平成 25 年度に実施した甲状腺検査先行検査で得られた結果に対する評価として、平成 27 年 3 月に「甲状腺検査に関する中間とりまとめ」(以下「中間とりまとめ」という。)としてまとめた。中間とりまとめでは、先行検査の結果については「放射線の影響とは考えにくいと評価する」とした。 平成 29 年 2 月 20 日に開催の第 26 回福島県県民健康調査検討委員会において、本格検査(検査 2 回目:平成 26~27 年度)の検査結果のまとめ及び評価を行うため、評価部会を招集することが提案された。この提案を受けて、平成 29 年 6 月 5 日に検討委員会との合同で第 7 回評価部会、新たな評価部会員構成により平成 29 年 11 月 30 日に第 8 回評価部会を開催し、令和元年 6 月 3 日の第 [...]

日立市 原子力懇談会を設置 4日、初会合 再稼働巡り市長に意見 2019年6月4日 茨城新聞

日立市 原子力懇談会を設置 4日、初会合 再稼働巡り市長に意見 2019年6月4日  茨城新聞 日本原子力発電(原電)東海第2原発(東海村白方)の再稼働問題で、日立市は3日、大学教授や各種団体の代表者、市民で構成する有識者会議「原子力安全対策懇談会」を4日に設置し、初会合を開くと発表した。原子力懇談会で意見集約することはせず、小川春樹市長が再稼働の是非を判断する際の参考意見とする。会合は非公開で、市は委員の名前や団体などを全て非公表としている。 東海第2の再稼働の是非を巡り、周辺自治体でこうした会議を設置するのは水戸市に次いで2市目。 原子力懇談会は、小川市長が昨年10月の定例会見で、市内の幅広い立場から意見を聴取するため、設置する考えを示していた。 市によると、委員は22人で、大学教授などの学識経験者、女性団体や農林水産団体、商工団体、教育団体、自治組織の代表者などで構成。東海第2の安全対策や市が策定を進める広域避難計画、原発事故時の影響などについて、それぞれの意見を聞く。 委員に任期はなく、会合は2〜3カ月に1回程度の割合で随時開催。毎回テーマを決め、不安や疑問など市民感覚の意見や団体の立場に応じた考えを発表してもらい、必要に応じて原電などへ説明も求める。市は「市長が意見を聞く会合で、再稼働の賛否を議論して懇談会として意志決定する場ではない」(総務部)としている。 会合は非公開で、市は開催場所と時間も公表しない方針。委員の名前や団体名も「自由に発言してもらうため」(同)として、学識経験者を含め一切明らかにしない考えだ。市は後日、発言者を伏せた形で議事録を公表するとしている。(川崎勉)

福島県の小児甲状腺がん 「放射線被ばくとの関連なし」の中間報告を新聞各紙はどう報じたか? 2019年6月4日

[解説]  東京パラリンピック・オリンピックに向けて、「原発事故から8年。放射能はもうない」「福島は安全」「福島県産、食べて応援」の大合唱が始まっています。多くの新聞各紙が福島県や「専門家」の見解をそのまま批判的に検討せずに垂れ流す中で、福島民報と東京新聞が気を吐いています。 (1)国連科学委員会(UNSCEAR)とは何者か?  まず、そもそも論です。今回、福島県の中間報告「甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に対する部会まとめ(案)」に出て来る、国連科学委員会(UNSCEAR)とはどんな組織なのでしょうか?国連だから信頼できる。科学とついているから更に信頼できるのでしょうか?  国連科学委員会(UNSCEAR)は、広島・長崎の原爆線量見直し(広島・長崎の原爆で放出された中性子の線量が過大評価されていた。つまり、もっと少ない線量で深刻な健康被害が出ることが判明した)を受けて、それまで採用してきたリスク評価を1988年に見直します。しかし、高線量での従来のリスク評価が間違っていて、3~4倍過小評価していることは認めたのですが、低線量の放射線被ばくリスクは、これまでのリスク評価の2~10倍低減しなければならない、という結論を出します。被ばく労働者の健康リスクは、高線量から考えると、もとのリスク評価×(3~4)÷(2~10)、結果的にそれまでのリスク評価より少々高くなるだけ、という結論を出しました。 <参考>中川保雄『放射線被曝の歴史』明石書店 pp.161~206  国連科学委員会(UNSCEAR)は動物実験や疫学調査などの研究を一切、行っていません。ただただ、各国の研究論文を集めて報告書を作っているだけです。その報告書を作るにあたっての公平さは存在しません。その参考とする研究論文は恣意的に選ばれたものであり、徹底的に内部被ばくに関する研究論文を無視していることで有名です。国連科学委員会(UNSCEAR)は、科学に基づく研究結果をまとめる機関ではなく、核兵器産業や原子力産業に都合がよい、リスク評価をするために、作られ、報告書を出している機関です。  果たして国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価をうのみにしていいのか、という批判を書いたのは福島民報です。東京新聞もそうした批判をにおわせた記事を書きました。 (2)先行検査(2011年度、2012年度、2013年度)の評価はどうなったのか?  新聞の見出しだけを読むと、「福島の子どもたちの小児甲状腺がんは原発事故の影響ではなかった」のだ、という印象を受けます。しかし、この中間報告書は、2巡目検査(2014,2015年度)についての評価です。先行検査(2011年度、2012年度、2013年度)の評価はどうなったのでしょうか?先行検査の評価を飛ばす意味は何なのでしょうか?  先行検査では明らかに原発事故の影響が見られたからではないですか?残念ながら、先行検査の評価を飛ばしている、ということについて批判的にコメントした新聞は1つもありませんでした。 (3)そもそも甲状腺被ばくの検査をしていない。政府が「初期被ばくを測るな」と2011年3月甲状腺被ばく検査を止めた。疫学調査も止めた。  そもそも、日本政府(菅直人民主党政権)は、初期被ばくの検査を中止させました。2011年3月原発事故直後にです。ですから、福島県民でさえ、初期被ばくの記録が存在しません。また、放射線被ばくの医療および研究機関であるはずの、放射線医学総合研究所は、被ばくと健康被害に関する疫学調査を「意味がない」と実施させませんでした。 <参考> 官邸に「疫学調査不要」 福島原発事故で放医研理事 東京新聞 2019年2月18日  放射線医学総合研究所は、1954年の日本のマグロ漁船がアメリカが南太平洋で行った水爆実験の「死の灰」を浴び、たくさんの原爆マグロがでてしまった、ビキニ事件を機に作られた機関です。第五福竜丸の乗組員は全員(同年9月23日に亡くなった久保山愛吉さんを除いて)毎年1回、放射線医学総合研究所で定期健診を受けていました。しかし、乗組員が次々と肝臓がんで亡くなる中、放射線医学総合研究所は、乗組員が肝臓がんにかかっていることを知りながら、本人に伝えていなかったことがわかりました。放射線医学総合研究所は、本人には肝臓がんにかかっていることを伝えず、英語の学術論文にだけ発表していたのです。すなわり、放射線医学総合研究所は、被ばく者がどのようにしてがんにかかり、どのようにして病気が進行し、どのようにして死んでいくのか、研究する機関だったのです。「検診するけれども治療せず」の悪名高きABCCとまったく同じミッションを受けた機関です。  この放射線医学総合研究所は、「放射線被ばくの早見表」を作っているのですから、この早見表の正しさは疑うべきです。 放射線医学総合研究所「放射線被ばくの早見表」  各紙の報道の中で、唯一、福島民報が「2016年夏、甲状腺がんで手術を受けた本県出身の20代の女性会社員が取材に応じ、UNSCEARによる被ばく線量の精度に疑問を投げかけた」と書いています。「納得いかないですね。そもそも正確に被ばく線量を測ったんですか」と。他紙は、一切日本政府が初期被ばくを測らなかったことについて、触れていません。 (4)国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価は年間です。莫大な初期被ばくを平均化したもの。それを個人の行動・生活に当てはめる圧倒的な過小評価を生じます。  今回、福島県の甲状腺評価部会が中間報告を作るにあたり、国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価を使ったとしています。 UNSCEAR 2013 Report, Annex A, ATTACHMENT C-16, Table C-16.2 の推定甲状腺総吸収線量(Total)およびATTACHMENT C-18, Table C-18.5 の推定甲状腺総吸収線量(Total dose)を使用。同一の市町村で複数の推定線量が提示されている場合は最大値を使用。各市町村別の被ばく線量を個人に当てはめた上で、被ばく線量を4 群に分類。 ー第13回甲状腺評価部会 資料1ー1 甲状腺検査本格検査(検査2回目)結果に関与する因子について 2019年6月3日 より 実際に使われた資料は英文ですが、以下です。 UNSCEAR 2013 Report, Annex A、 ATTACHMENT C―16、 Table C―16.2 の推定甲状腺総吸収線量(Total) UNSCEAR 2013 Report, Annex A、ATTACHMENT C 18, Table C 18.5 の推定甲状腺総吸収線量(Total dose)  この国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価は、題名に「FOR THE FIRST YEAR」とあります。2011年3月からの1年間の被ばく線量という意味です。それも推計です。住民の内部被ばくを測ったものではありません。年間の被ばく線量から甲状腺がんの発症リスクを評価するのは、致命的な誤りです。なぜならば、人体の皮膚や呼吸器官によって吸収されたヨウ素131,ヨウ素132(テルル132),ヨウ素133,ヨウ素135は、ただちに甲状腺に集中的に集められるのですが、それぞれの半減期がとても短くあっという間に崩壊してベータ線、ガンマ線を甲状腺細胞に与えるからです。一番、半減期の長いヨウ素131でされ、半減期の10倍(半減期の10倍を10半減期といい、放射能がほぼなくなると考える)は80日。3ヵ月弱です。少なくとも2011年3月4月5月の被ばく線量の評価が決定的に大事です。それを1年間にすることで、被ばく線量を薄めて、甲状腺がんに罹った子どもたちに当てはめているのです。また、そもそも、2011年3月15日、3月16日に屋外で呼吸をしていたのか、雨を浴びたのか、の初期被ばくが決定的です。また、2011年3月20日~23日の3号機の格納容器底の抜けのときに、屋外で呼吸をしていたのか、雨を浴びたのかも。これらの特別高い被ばく線量を、年で平均化することで、国連科学委員会(UNSCEAR)は福島県の住民の被ばく線量を低く見せているのです。 核種    半減期 ヨウ素131 8.0日 ヨウ素132(テルル132) 2.3時間(3.2日)  テルル132→ヨウ素132→と壊変。ダブルで危険。 ヨウ素133 20.8時間 ヨウ素135 6.6時間  事実、東京新聞が2019年1月21日スクープで報道したように、双葉町の11歳の少女が甲状腺に100ミリシーベルトの被ばくをしています。 <参考> 1歳少女、100ミリシーベルト被ばく 福島事故直後 放医研で報告 2019年1月21日 東京新聞  上記の国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価には、双葉町(Futaba Town)には、誰も100ミリシーベルト被ばくした者がいないことになっています。すなわち、国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価は間違いです。推定値はあくまで推定値であり、実測値を説明できない、推定は無効です。  国連科学委員会(UNSCEAR)の線量評価が年間であり、年間に平均化することで初期被ばくを過小評価していることを指摘した新聞はありませんでした。 (5)20歳以降の全員の検診をただちに行うべき  問題なのは、現時点で20歳以上に福島県の甲状腺がんが多発していることであり、「原発事故の影響かどうか」を議論している段階ではない、ということです。2017年6月30日現在でも18歳以上の受診率が25.7%とたった4分の1しか受診していません。しかし、先行検査の小児甲状腺がん患者の平均年齢は14.9歳。現在23歳になっているはずです。もっとも甲状腺がんを発症している危険性がある年齢層が検査を受けていない。この事実を認めて、20歳以上の検診に力を注ぐべきです。これは福島県のみならず東日本全域に言えることです。放射性ヨウ素のプルームは東日本全域を襲ったのですから。   以下、2019年6月4日の新聞記事各紙です。 甲状腺検査 2巡目 がんと被ばく関連否定 中間報告まとめる 2019年6月4日 福島民報 2面   甲状腺検査 2巡目 がんと被ばく関連否定 中間報告まとめる 2019年6月4日 福島民報 2面2 解析手法に限界か  子の甲状腺がん 被ばく関連否定 福島 原発事故調査中間報告 2019年6月4日 東京新聞 朝刊2面 2巡目「放射線関連なし」 甲状腺がん検査 部会が報告書作成 「過剰診断 症例も」甲状腺がん検査 2019年6月4日 福島民友 1面および21面 原発事故とがんの関連否定 2019年6月4日 朝日新聞 朝刊25面 「現時点で関連なし」福島県が結論 被ばくと甲状腺がん 2019年6月4日 毎日新聞 朝刊21面 福島甲状腺がん 「被曝関連なし」 県の評価部会 2019年6月4日 読売新聞 全国版 朝刊35面 甲状腺がん「被曝関連なし」 県の評価部会 2巡目検査結果解析 2019年6月4日 読売新聞 福島県版 29面          

甲状腺2巡目検査の報告書案は 2019年6月3日 19時50分 NHK 福島放送局

[解説]   2019年6月3日、福島県で第13回甲状腺評価部会が開かれました。しかし、その4日前の5月31日には、共同通信や毎日新聞などで、「甲状腺2巡目の検査で見つかったがんと被ばくに関連性がないとする中間報告」を出すと言う、事前リークがありました。  このNHK福島放送局のニュースでは、鈴木元氏(部会長)の以下の言葉を紹介しています。 「放射線の影響を受けやすい、事故当時1歳から5歳だった子どもたちの中で甲状腺がんが増えていないと結果が出るまでは検査をやめるという答えは出せない。」  しかし、2016年時点で、原発事故当時、4歳、5歳の子どもたちが1人ずつ、小児甲状腺がんにかかり、福島県立医大で、甲状腺がん摘出手術を受けていたことが明らかになっています。NHK福島放送局は、この事実について触れていません。  福島県県民健康調査検討委員会はさかんに、「チェルノブイリ原発事故の際は原発事故当時0~5歳の子どもたちに甲状腺がんが多発した。しかし、福島の子どもたちの小児甲状腺がんの平均年齢は14.9歳(先行検査、2011,2012,2013年度)。だから、福島の子どもたちの小児甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい 」と主張してきました。しかし、2016年に原発事故当時4歳、5歳の小児甲状腺がんの患者が出ても、民間団体3.11甲状腺がん子ども基金やour planet tvが、事実確認をするまで事実を公表しませんでした。 〈参考〉 「184人以外にも未公表の甲状腺がん〜事故当時4歳も」our planet tv 2017年3月30日    NHK福島放送局は、鈴木元氏の「事故当時1歳から5歳だった子どもたちの中で甲状腺がん」に触れるならば、すでに、原発事故当時4歳,5歳の子どもたちの患者が1人ずつ出ています、とコメントすべきです。ただただ、甲状腺評価部会の発表を垂れ流す姿勢はあらためるべきです。 甲状腺2巡目検査の報告書案は 2019年6月03日 19時50分  NHK 福島放送局 福島県が原発事故当時、18歳以下だった子どもたちを対象に行っている甲状腺検査をめぐり、検査の結果を評価している専門家の部会で、2巡目の検査で発見された甲状腺がんと被ばくの関連は認められないとする報告案が示されました。一方、部会長は、この報告案を受けて検査をやめるという答えは出せないとしています。 この報告案は3日、福島市で開かれた専門家による部会で示されました。2巡目の検査で発見された甲状腺がんと被ばくの関連については、UNSCEAR=国連原子放射線影響科学委員会で公表された年齢別や市町村別の推計の線量を解析に使った上で、「甲状腺がんの発見率との関連の解析においては、線量の増加に応じて発見率が上昇するといった一貫した関係は認められない」とした報告案をまとめました。また、県民健康調査の受診率が年々低くなっていることから、調査とは別に、自治体が医療機関を通じてがん患者の情報を集める「地域がん登録」などを利用し、甲状腺がんの状況を把握することや、単発の検査だけではなく数回の検査の結果を蓄積して解析する必要があることも盛り込まれています。この報告案は、今後県民健康調査検討委員会に提出されることになっています。甲状腺がんと原発事故による被ばくの影響をめぐり、県の県民健康調査検討委員会は3年前、被ばく線量が総じて小さいことなどを理由に「放射線の影響とは考えにくい」とし、検査を大規模に実施したことでがんが多く見つかっている可能性が高いという見解を示しています。甲状腺検査評価部会の鈴木元部会長は「放射線の影響を受けやすい、事故当時1歳から5歳だった子どもたちの中で甲状腺がんが増えていないと結果が出るまでは検査をやめるという答えは出せないと個人的には考えている。今後も検討を続ける必要がある」としています。去年から4巡目に入っている甲状腺検査で、がんやがんの疑いと診断された人は212人となっています。

福島産米検査、緩和拡大へ サンプル「抽出」を容認 2019年5月26日  共同通信

福島産米検査、緩和拡大へ  サンプル「抽出」を容認 2019年5月26日  共同通信 コメの全量全袋検査を行う担当者=2016年10月、福島県郡山市  東京電力福島第1原発事故後、福島県が全ての県産米の放射性物質を調べている「全量全袋検査」について、サンプルだけを調べる「抽出検査」への緩和を認める地域を拡大することが26日、分かった。従来は避難区域にならなかった市町村に限り早ければ2020年産米から切り替える方針だったが、かつて一部地区が避難区域に指定された市町村も加える。  15年産米以降、国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)超えは出ていない。検査の実務を担う市町村の負担が減り、正常化に向けた動きと歓迎する向きがある一方で、全量全袋という厳しい検査を緩めることによる風評被害を懸念する声もある。 福島産米検査 緩和拡大へ 来春に地域判断 県、「抽出」を容認 2019年5月27日 東京新聞 朝刊   東京電力福島第一原発事故後、福島県が全ての県産米の放射性物質を調べている「全量全袋検査」について、サンプルだけを調べる「抽出検査」への緩和を認める地域を拡大することが二十六日、分かった。従来は避難区域にならなかった市町村に限り、早ければ二〇二〇年産米から切り替える方針だったが、かつて一部地区が避難区域に指定された市町村も加える。  一五年産米以降、国の基準値(一キロ当たり一〇〇ベクレル)超えは出ていない。検査の実務を担う市町村の負担が減り、正常化に向けた動きと歓迎する向きがある一方で、全量全袋という厳しい検査を緩めることに風評被害を懸念する声もある。  実際にどの自治体が切り替えるかは、地元の意向を踏まえ、県が各自治体と協議し来年春ごろ最終的に判断。原発事故後に国の避難指示が出た十一市町村のうち、主に、避難区域が一部にとどまった南相馬市と田村市、川俣町、川内(かわうち)村の四自治体が抽出検査を選べる。残りは指示が全域に及んだり、現在も続いたりするため、対象外とみられる。  県が四月、自治体の意向を調査した。対象となる四自治体のうちの一部は全域で抽出検査への移行を検討している。かつて避難区域になった水田については全量全袋検査を継続するが、それ以外は抽出検査への移行を望む自治体もある。  全量全袋検査は一二年に開始し、年間約三十五万トンのコメを一袋ずつ調べるもので、県によると世界初の取り組み。一九年産米で基準値超えが出なければ、抽出検査を始める。  全量全袋調査は農家が検査場に運び入れる手間や、自治体職員が検査業務を担うケースもあり、地元にとって重荷になっている。

市民連合と5野党・会派の「共通政策」 2019年5月30日 新聞「赤旗」より

市民連合と5野党・会派の「共通政策」 2019年5月30日 新聞「赤旗」    市民連合と5野党・会派が合意した「共通政策」と野党の署名した内容は次の通りです。 市民連合の要望書  来る参議院選挙において、以下の政策を掲げ、その実現に努めるよう要望します。 だれもが自分らしく暮らせる明日へ  1 安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。  2 安保法制、共謀罪法など安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止すること。  3 膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること。  4 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する操作、分断を止めること。  5 東アジアにおける平和の創出と非核化の推進のために努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止に向けた対話を再開すること。  6 福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。  7 毎月勤労統計調査の虚偽など、行政における情報の操作、捏造(ねつぞう)の全体像を究明するとともに、高度プロフェッショナル制度など虚偽のデータに基づいて作られた法律を廃止すること。  8 2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること。  9 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能とするための保育、教育、雇用に関する予算を飛躍的に拡充すること。  10 地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金「1500円」を目指し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消すること。また、これから家族を形成しようとする若い人々が安心して生活できるように公営住宅を拡充すること。  11 LGBTsに対する差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員間男女同数化(パリテ)を実現すること。  12 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽(いんぺい)の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討すること。  13 国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。  2019年5月29日  私たちは、以上の政策実現のために、参議院選挙での野党勝利に向けて、各党とともに全力で闘います。 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合 上記要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、ともに全力で闘います。 立憲民主党代表 枝野幸男 国民民主党代表 玉木雄一郎 日本共産党委員長 志位和夫 社会民主党党首 又市征治 社会保障を立て直す国民会議代表 野田佳彦

横浜の保育園で“汚染”土騒動 園児2人が白血病発症 市は動かず 山内リカ 2019年6月1日 週刊朝日

横浜の保育園で“汚染”土騒動 園児2人が白血病発症 市は動かず 山内リカ  2019年6月1日 週刊朝日   市職員による保育園での線量測定(提供・太田正孝… (10:14)週刊朝日 保育園で線量測定をしている市職員(提…  横浜市内の保育園に埋められている“土”を巡って、騒動が起こっている。 【保育園で線量測定をしている市職員】  2011年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原発事故で、各地へ拡散した放射性物質。市によると、保育園などでは汚染の可能性のある土や砂塵(さじん)を一時的に取り除き、ポリ袋に入れて密閉した後、園内などで保存していた。その後、市は一部を保管庫である北部汚泥資源化センター(鶴見区)に移したが、残りは園内に埋まったままだ。 「残りの汚染土も掘り起こして、保管庫に移してほしい」  こう訴えてきたのは、市民団体「神奈川・子どもを守りたい」の中井美和子共同代表。団体は同様の趣旨の署名約5400筆を、5月27日、林文子市長宛てに提出した。  なぜ一部は保管庫に移され、一部は園に埋められたのか。市こども青少年局保育教育運営課の小田繁治さんはこう説明する。 「横浜市が定めた対応すべき放射線量の基準の目安は、地上1センチの高さで、毎時0・59マイクロシーベルトです。16年6月の時点で測定した結果、14施設で線量が高いことがわかった。その後、再測定をして、そのときも対応の目安を超えていた9施設について、センターに移した」  残りの“土”については、「対応の目安となる基準より低いため、(対応する)必要はないと考えている」という。  港南区にある保育園では、敷地の裏手にフェンスが建っている。その内側、地表から10~15センチのところに、ビニール袋などで封をした“土”が埋められている。今年4月、市職員が市民らとともにその周辺の空間線量を測定したところ、毎時0・05マイクロシーベルトの放射線が確認された。 「柵をしなければならないものを、園内に埋めるという市の感覚を疑う」と太田正孝市議。5月27日に開かれた市のこども青少年・教育委員会で土を撤去するよう請願した。市は151の保育園に“土”が埋まっているとした上で、「(移す)必要性はない」(市こども青少年局の齋藤聖局長)と説明した。  こうした市の対応に怒りをあらわにするのは、子どもを園に預けている保護者たちだ。「そもそも、園内に“土”が埋まっていることは、園から聞いていない」と園児の母親(30)。小田さんは、「埋めたときに線量を測定した際に、各園でお知らせするようにはしていたが、その後、多くの園では話をしていないと思う」と話す。  また今回、改めて“土”の問題が持ち上がったのは、先に紹介した保育園では同じ年齢の園児2人が、白血病にかかったことが明らかになったため。一人は3年前、もう一人は1年前に発症した。  因果関係は明らかではないものの、「汚染土があれば当然、何らかの病気にかかるリスクはある」と中井共同代表は考える。園児の父親(33)も、「“土”が原因ではないかもしれない。ただ、今、園に通う子供たちの安全を考えたら、埋まっているものは全部撤去し、新しい土に入れ替えてほしい」。  齋藤局長は27日の委員会で、「保護者の方々が不安になるようなことがあれば、きめ細かく寄り添えるような対応ができるか、今後、検討していきたい」と述べた。また、横浜市の説明はホームページ(https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/hoiku-yoji/shisetsu/info/hoshasen/taio/20190529.html)に掲載されている。(本誌・山内リカ)

宮城県栗原市のお米が業務用に NHK 2018年11月22日

NHK宮城放送局のニュースから ちなみに、宮城県栗原市は、ホットスポットです。 あの米どころも!? 業務用米にシフトするワケ 2018年11月22日 18時40分 NHK ことしも新米のシーズンがやってきました。 皆さんは、「萌えみのり」や「つきあかり」といった品種を、聞いたことありますか?スーパーや米屋ではほとんどお目にかかれない業務用の米です。 家庭以外で消費される米、例えばレストランなどの外食、コンビニなどの中食で使われる米は「業務用米」と呼ばれています。米の販売量の4割を占めていて、産地では今、この業務用に特化した米を作る動きが広がっています。(仙台放送局記者 鈴木慎一) いち早く業務用米にシフト 「ひとめぼれ」などのブランド米を生産してきた宮城県栗原市。 ここで10年前から生産を増やしているのが「萌えみのり」という業務用米の品種です。水田全体の1割に相当する700ヘクタールで生産し、すべてを東京の卸売り会社に販売しています。「萌えみのり」は味にくせがなく、どんな料理にも使いやすいためレストランなどでよく利用されています。 農家の三浦章彦さんは、去年から生産を始め、ことしは栽培面積を2.5倍の10ヘクタールに増やしました。 なぜ三浦さんたちは業務用米の生産を増やしたのか?理由の1つは育てやすさにあります。 「萌えみのり」は、種もみを直接田んぼにまいて育てることができます。苗を育ててから水田に植える「田植え」をする必要がなく、そのぶん生産コストを抑えることができるのです。また、より多く収穫できることを目指して開発された業務用米の品種は、ブランド米に比べて2割から3割多く収穫できます。このため価格はブランド米に比べて1割安いものの、十分に利益をげられると言います。 地元の農協では、「萌えみのり」の生産によって、農家の収入を10%増やすことができたと説明しています。 JA栗っこの兵藤健一米穀販売課長は「当初は参入する農家がなかなか増えなかったが、今では大規模農家を中心に萌えみのりで安定した収益が得られると評価されるようになった」と話しています。 激しくなる産地間競争 しかし今、業務用米をめぐる環境が大きく変わろうとしています。全国の米どころが、相次いで生産にかじを切り始めたのです。 「コシヒカリ」の一大生産地、新潟県も例外ではありません。上越市とその隣の妙高市で「コシヒカリ」の生産を減らし、大半を業務用米に切り替えています。 地元の農協によりますと、ことしは栽培面積を去年の10倍、栗原市と同じ700ヘクタールに拡大したと言います。さらに来年には1000ヘクタールまで拡大する計画です。 JAえちご上越の石山忠雄常務は「消費者がいつまでも高い新潟のコシヒカリを買ってくれるとは限らない」と危機感をあらわにしていました。 ブランド米だけでなく、需要が拡大する業務用米も生産することが産地として生き残るには欠かせないというのです。 市場ニーズにあった業務用米を 強力なライバルの出現に宮城県栗原市は、将来を見据えた取り組みを始めています。 その1つが「多様な品種の生産」。農協では、収穫時期が早いものや遅いもの、台風でも倒れにくく、病気に強いものなど7つの品種を試験栽培しました。「萌えみのり」以外の品種もそろえることで、市場の幅広いニーズに対応しようというのです。 そして2つ目の取り組みが「消費者のニーズの把握」。農協では、試験栽培した品種を関東や中部地方などの卸売り会社に送って、味や見栄えなどの評価を聞いています。 JA栗っこの兵藤課長は「それぞれの米に長所と短所があり、栗原の土地にあったものを探していくのは簡単ではないが、試験栽培で最適な品種をみつけ、いろんな業者に販売していきたい」と話していました。 変わりゆくニーズにどう対応 米の消費量は毎年8万トンずつ減っていて、10年後には今の生産量の1割がだぶつく計算になります。 しかし、生産現場を見渡すと、家庭用のブランド米を生産する動きが盛んなのに対して、業務用米が不足しているという不均衡な状態になっています。 農家は今まで以上に市場の変化を見据えて、米づくりをする必要があると言えそうです。そのためにも、農家自身が市場の情報を積極的に取りに行くことも重要です。 消費全体が減っていく中で、どのマーケットに商機を見いだすか、ブランド米の開発競争と並行して新たな競争が始まっています。 仙台局記者 鈴木 慎一 昭和63年NHK入局 名古屋局 国際部 北京支局 国際放送局 青森局などを経て仙台局 農業・水産業を担当 〈参考記事〉 えさ汚染「夢にも思わず」 福島、383頭出荷の業者 2011年7月19日8時31分 朝日新聞 関係の場所  放射性セシウムで汚染された稲わらを食べ、市場に出荷された可能性がある牛の数が、また増えた。福島県だけでなく、宮城県の業者が販売したわらの汚染も相次いで分かり、使った農家が広がっている。  福島県では、新たに5市1町の7戸から出荷された計411頭が汚染わらを食べていた可能性が判明。このうち383頭は、同県須賀川市の畜産業者が育てていた。「宮城県から仕入れたわらで、汚染されているとは夢にも思わなかった」。社長(65)は驚いた様子で話した。  同市の牧場だけでも約2600頭の肉牛を飼育している大規模経営。原発事故後、宮城県栗原市の仲介業者からわらを購入して牛に食べさせてきたが、「何頭が問題のわらを食べたかはわからない」という。  社長は、肉牛には牧草や飼料をもっぱら与え、わらの割合は数パーセントと説明する。「出荷した肉牛から高濃度のセシウムが検出されることはないと思う」と話した。  新潟、山形の両県でも、宮城県から出荷されたわらの汚染が見つかった。汚染が見つかった農家とは別の新潟県長岡市内の農家は「挟み撃ちで事故にあったようなものだ。(集団食中毒が起きた富山の)ユッケ問題で肉の消費が落ちていたところに、今回の問題。もう、やってられない」と嘆いた。  汚染わらを食べた可能性のある牛は両県合わせて94頭。新潟県は県内すべての農家に対して宮城県産の稲わらの使用自粛を要請した。山形県も、農水省が緊急点検の対象としている1都10県のわらについて、安全が確認されるまで使わないよう求めた。  福島県は18日までに、計画的避難区域と緊急時避難準備区域で牛を飼っている農家全230戸と、その他の地域の全肥育農家281戸に対する緊急の立ち入り調査を終えた。繁殖農家2800戸の調査は8月3日まで続ける予定だが、「当面出荷する可能性がある農家ではこれ以上問題はないだろう」とみている。頭数が多かった東京都は流通状況の把握を始めた。  汚染わらを食べた可能性がある牛は、17日までに計143頭が出荷されていたことが判明している。朝日新聞社の18日現在の集計では、これらの牛の肉は少なくとも37都道府県に流通していた。

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