近藤俊介 福島第一原子力発電所の不測事態シナリオの素描 2011年3月25日

 

 2014年5月21日、福井地方裁判所は、大飯原発3、4号機運転差し止めの判決を出しました。

 その中で、「原発250km圏内の人格権」について、明言しています。

大飯原発運転差止請求事件判決要旨全文

サイト News for the People in Japan(NPJ)より

 その根拠となったのは、原子力委員会 近藤俊介委員長が「福島第一原発から250キロメートル圏内に居住する住民に避難を勧告する可能性を検討したのであって、チェルノブイリ事故の場合の住民の避難区域も同様の規模に及んでいる」(2014年5月21日 判決文)からです。

 その近藤俊介氏 内部資料pp.15が以下です。藤崎良次氏が2012年1月30日情報開示請求により、内閣府から開示されたものです。藤崎良次氏の了解を得て、全文pdfおよび概要箇所の画像を掲載します。

線量評価結果について

・水素爆発の発生に伴って追加放出が発生し、それに続いて他の号機からの放出も続くと予想される場合でも、事象のもたらす線量評価結果からは現在の20kmという避難区域の範囲を変える必要はない。
・しかし、続いて4号機プールにおける燃料破損に続くコアコンクリート相互作用が発生して放射性物質の放出が始まると予想されるので、その外側の区域に屋内退避をもとめるのは適切ではない。少なくとも、その発生が本格化する14日後までに、7日間の線量から判断して屋内退避区域とされることになる50kmの範囲では、速やかに避難が行われるべきである。
・その外側の70kmの範囲ではとりあえず屋内退避を求めることになるが、110kmまでの範囲においては、ある程度の範囲に土壌汚染レベルが高いため、移転を求めるべき地域が生じる。また、年間線量が自然放射線レベルを大幅に超えることを理由に移転することを希望する人々にはそれを認めるべき地域が200kmまでに発生する(容認線量に依存)
・続いて、他の号機のプールにおいても燃料破損に続いてコアコンクリートは相互作用が発生して大量の放射性物質の放出が始まる。この結果、強制移転をもとめるべき地域が170km以遠にも生じる可能性や、年間線量が自然放射線レベルを大幅に超えることをもって移転を希望する場合認めるべき地域が250km以遠にも発生することになる可能性がある。
・これらの範囲は、時間の経過とともに小さくなるが、自然(環境)減衰のみに任せておくならば、上の170km、250kmという地点で数十年を要する。-近藤俊介 2011年3月25日 内部資料 pp.15

インターネットサイトから

『近藤俊介 福島第一原子力発電所の不測事態シナリオの素描 20110325』

pdfは

近藤俊介 福島第一原子力発電所の不測事態シナリオの素描 20110325