文科省が環境放射能水準調査で上水(蛇口)から取った水道水を3ヶ月分集め、濃縮をかけ、水道水1kgあたりの放射性物質の濃度を調べている。全国46都道府県の検査結果。(宮城県を除く)各都道府県の衛生研究所、原発がある県では原子力センターは毎日1.5Lの水道水をタンクにため、ある程度たまるごとに濃縮をかけて、この水道水1kgの放射性物質の濃度を測定している。いわば、3ヶ月間の水道水の平均的な放射能濃度である。

 つまり、福島県民は少なくとも毎日、0.008~0.010ベクレル/kgの水道水を飲んでいることになる。また、茨城県民も0.010ベクレル/kgの水を常時飲んでいることになる。

 ちなみにアメリカの水道水の法令基準は米国環境保護庁(EPA)が定める、セシウム137については3pCi/kg(ピコキュリー毎kg)。1ベクレル=27.1ピコキュリーなので、これは0.111ベクレル/kgとなる。

 かつて福島県会津若松市の神指地区(こうざしちく)の水道水からセシウム134が1.3±0.5ベクレル/kg、セシウム137が1.4±1.0ベクレル/kg、放射性セシウム合計2.7ベクレル/kgが検出されている。(2011年12月9日)このような水道水は絶対に口にするべきではない。しかし、福島県は放置していた。

 会津若松市のホームページを見ると、2012年2月2日までは放射性セシウムの検出限界が5ベクレル/kg。それ以降は検出限界が1ベクレル/kgとある。つまり、2012年2月2日までは、会津若松市の水道水からは1ベクレル/kgを越える放射性セシウムが出ていた可能性がある。それを「不検出」とするために、検出限界が決められていたのではないだろうか。

 また、全国47都道府県の中で宮城県だけが46都道府県と同様な検査をしていない。46都道府県は、検出下限値は、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137すべて0.001ベクレル/kg未満で検査を行っている。宮城県は検出限界を0.6~1.6ベクレル/kgまで変えて検査をしている。山元町の南部山浄水場の検出限界を下記のようにグラフにしてみた。これを見ると、2011年10月から2012年3月まで、水道水から1.0ベクレル/kg前後の放射性セシウムが出ていたのではないか、と疑いたくなる。すなわち、「不検出」とするために、検出限界を0.6から1.2やひどいときは1.6ベクレル/kgまで引き上げて検査したのではないか、と思う。

 宮城県もまた、他の46都道府県と同様に検出限界0.001ベクレル/kg未満までの検査を行うべきだ。

 文科省 環境放射能モニタリング 上水(蛇口) 20121ー3月 4ー6月 pdf

宮城県 水道水 山元町データ 20110324~20121001 pdf